レーザー脱毛で永久脱毛する前に知っておきたいこと

レーザー脱毛の具体的方法を知る前に、毛のメカニズムについて理解しておきましょう!

レーザー脱毛の具体的方法を知る前に、
毛のメカニズムについて理解しておきましょう。
宿敵を打つには、まず相手がどのような気性のものか知る必要があります。

ピンセットなどで体毛を根っこから抜くと、
付け根の部分が丸くなっているのが確認できると思います。
この部分を毛球といいます。
毛球には、毛母細胞が通っており、これが性ホルモンの影響を受け、
色素を増加させていくことによって、毛を太く長いものに成長させていくのです。

よく「ムダ毛が増えた」などという言い方をしますが、
これはじっさいには、毛の本数が増えているのではなくて、
もともとある毛が強固に成長した結果なのですね。
毛包の総数は、お母さんの胎内にいるときにすでに決められており、
生まれてから増加することはないのだそうです。

あとは、既存の毛包のなかで、一定のサイクル(毛周期)に応じて、
毛はひたすら生えては抜けるという円環運動を繰り返しているのです。

本来、動物にとって、毛は、皮膚を守ったり、
体温を調節したりするために、なくてはならないバリアーのようなものです。
だからこそ、ジャングルをうろついているような獣たちの顔や体は毛むくじゃらなんです。

完璧な永久脱毛って可能なの?

人間の体毛は、一定のサイクル(毛周期)で自動的に抜け替わっていきます。

つまり、永久脱毛を完成させるためには、
このサイクルを断ち切る必要があるということですね。

しかし、実は、発毛の再生をつかさどる細胞(つまり黒幕)がどこにあるのか、
まだ完璧には解明されておらず、諸説入りみだれているのが現状です。

これまで一般的な説としては、毛母および毛乳頭が
発毛の再生にかかわる最大の要因であるといわれてきました。
しかし、別項で説明しているように、毛が抜け変わるプロセスにおいては、
休止期という毛母が消失する期間があり、
毛母や毛乳頭を破壊しても、発毛を完璧に食い止めることはできないことがわかってきました。

つまり、皮膚を構成する組織のなかに、
毛母や毛乳頭そのものを再生させる機能を持つ細胞があるということなんですね。

研究の成果によると、毛包に立毛筋
(毛を立たせるための筋肉)が接する部分にみられるバルジと呼ばれるもの。

このバルジを観察すると、休止期にもきちんと活動していることがわかり、
ここに毛母や毛乳頭を再生する細胞が潜んでいるといわれています。
しかし、バルジのなかにあるといわれる細胞がどのくらいの範囲で、
影響力を持つものかどうかは、まったく未知の世界です。

レーザー脱毛の原理

レーザー脱毛の原理を簡単に説明するならば、
“毛包の組織をレーザー光線で破壊することにより、
発毛を防止する”といったところでしょうか。

日本におけるレーザー脱毛には、
アレキサンドライトレーザーやダイオードレーザー
といったレーザーが使用されています。

アメリカで初めて開発されたレーザー脱毛装置は、
ルビーレーザーと呼ばれる光線を使用していましたが、
これはメラニン色素を皮膚に多く含む有色人種には、
適していないことがわかっています。

アレキサンドライトレーザーやダイオードレーザーを皮膚に照射すると、
メラニンと血液に含まれるヘモグロビンに吸収されて、熱エネルギーに変換されます。
この熱を用いることで、毛包のまわりにある発毛組織を壊していくのです。

ただし、レーザーの照射出力が適正でなかったり、
メラニンが少なかったりすると、思ったような効果が出ない場合もあります。
だからといって、あまりにも高い出力でレーザーを照射すると、
破壊する必要のない皮膚組織をも損傷してしまい、
火傷してしまう恐れもあるので、注意が必要ですね。

このあたりの調整は、きちんとした知識をもった医師やエステのスタッフと相談しながら、
自分の皮膚の状態にあわせて行なっていきましょう。


また、意外としられていないのですが、
レーザーを照射する回数や時期は、
毛の生え変わるサイクル(毛周期)にあわせて決められます。
わかりやすく言えば、毛がボーボーと生えそろい始めた時期。
毛の成長が止まっている時期(休止期)には、
皮膚に含まれるメラニンが不足しているため、レーザーを当てても効果が表れません。
この毛周期をめぐる問題は、別項で詳しく触れることにします。

レーザー脱毛の手順

レーザー脱毛の一般的な手順をご紹介します。

1.カウンセリングを受ける

レーザー脱毛は、すべての受診者に、
まったくおなじ治療をほどこすわけではありません。
その人の体質、皮膚の状態、また脱毛する部位によって、
レーザーの照射方法が変わってきます。
治療費がいくらかかるのか、何回くらい通院が必要なのか、
など気になることは、すべてこの時点でじっくり聞いておくことです。
このカウンセリングがきちんと行なわれないと、
せっかく高いお金を払ってレーザー治療を受けたのに、
思い通りの結果が得られなかったということにもなりかねないのですから。

2.治療にかかる前に

レーザーを照射する体の部分は、治療前に毛を剃っておく必要があります。
照射する部分をマーキングし(じっさいにマーカーで指定する場合もあります)
レーザーの照射率をより向上させるためです。
レーザーが目に入ると非常に危険なので、
かならずゴーグルをかけるようにしてください。
逆に言えば、この時点で、ゴーグルをかけさせないサロンは、
安全性への配慮が欠けているとみて間違いないでしょう。

3.テスト照射を行なう

本治療の前には、必ずテスト照射が行なわれます。
これによって、受診者の肌のレーザーへの対応度が計測され、
どれくらいの出力を必要とするかがわかります。
肌に極度に赤くなったり、痛みを生じたりした場合には、
その旨をはっきり医師やエステのスタッフに伝えましょう。
本格的な照射が行なわれた後で、違和感をうったえても後の祭りです。

準備が完了したら、いよいよ照射に入ります。

4.照射開始

照射時間は、受診する医療機関やエステサロンに
用意されているレーザー装置によって異なります。
たとえば脇の脱毛であれば、平均して3分から10分といったところでしょうか。
ひじやひざ、太ももなどは、20~30分くらいかかる場合もあります。
照射範囲も用いられる装置によって異なり、
範囲が広いほどあたりまえですが照射回数も少なくて済みます。

5.照射部位を冷却する

レーザー照射後は、皮膚を冷却する必要があります。
冷却方法はさまざまですが、一般的には、照射部位にジェルを塗布する、
冷却装置で皮膚に照射する、という方法があります。
冷却装置付きのものの方が確実に冷却できるといわれています。

6.レーザー照射後のケア

アフターケアも怠ってはいけません。
照射を受けたその日は、毛包の周囲が赤くなることがありますが、
一般的には2日ほどで治ります。
消炎剤を塗って肌を保護し、熱を帯びている場合には冷却を行ないます。

その後は、状態に応じて、数回の照射を行なっていきます。
ほとんどの場合、4~6回くらいで、ほぼ気にならないレベルまで脱毛することが可能です。
照射の間隔は、毛周期(別項で説明)にあわせて、1ヶ月に1度くらいの割合です。
その間、入浴などはふつうにしてかまいませんが、
日差しの強い場所はなるべく避けるようにしてください。
照射した箇所から熱が引ききっていないために、
部分的な日焼けをしてしまう(そこだけ黒く焼けてしまう)ことがあります。

レーザー脱毛は医療行為

エステ産業はつねに激しい競争の世界でもあります。
街なかを歩けば、「永久脱毛」を謳い文句にしたサロンがごろごろ。
なかには、医師の免許を持っている人間がいないにもかかわらず、
レーザー脱毛を実施している店もあるので、要注意です。

医師免許を持たない人間がレーザー脱毛を行なうことは、法律で禁じられています。

素人がうかつに行なった場合、操作に対する知識に乏しいため、
照射が適切に行なわれず、火傷を負ってしまう可能性が高く、
じっさいエステサロンでのトラブルもこのレーザーがらみのケースがダントツで多いとのことです。

また、レーザー脱毛は、治療が済んでしまえば、
あとはほったらかしでOK、というものではありません。

人によっては、皮膚に跡が残ったり、炎症を生じる場合もあるので、
そういうときに適切な処置をほどこすことのできる人間が必要なのです。

つまり、安全な治療を受けるならば、きちんとした医療機関に出向き、
専門の医師のもとで脱毛治療を受ける必要があります。

エステで脱毛を行なう場合には、万が一問題が発生した時に備えて、
使われている器械や扱っている人間の素性(医師免許を持っているかどうか)を
あらかじめ把握しておくことです。

なにかしら体に異変が生じたときには、すぐに専門医の診断を受けてください。

皮膚のトラブルを防ぐために

レーザー脱毛を実施するうえで、もっとも頻繁に起こりやすいトラブルといえば火傷です。

照射を担当する人間の知識不足で起きた火傷はさて措くとして、
実は、レーザーという特殊な光線を利用しているからこそ
必然的に起こりうる科学的なトラブルというのも存在するのです。

通常、レーザーは、毛のメラニンと同時に、
皮膚の表面に含まれるメラニンにも吸収されます。
つまり、メラニンが豊富に含まれていればいるほど、
それに呼応して皮膚の温度も上昇するため、
火傷を引き起こす要因になる可能性が高いといえるわけです。

皮膚のメラニンが多いのは、たとえば夏場などに日焼けしているとき。
この場合、日焼けしている箇所にレーザーを照射すると、
過剰反応を起こして、火傷が起きることになります。

もうひとつ注意しなければならないのは、化粧品のたぐいです。
皮膚の表面に塗られている化粧品やスキンケアクリームなどに、
レーザーを浴びると過剰反応を起こす物質が含まれていることがあるからです。

たとえば、「日焼けしていては脱毛ができない」と日焼け止めクリームを塗っていたとしたら
そのクリームのなかにレーザーに反応する物質が入っている可能性も考えられます。

このようなトラブルケースは少なくないにもかかわらず、
つい見過ごされがちな点であるため、受ける側が念頭においておくことが重要だと思われます。

そのほかにも、人間の皮膚の状態というのは、人それぞれです。

一般論では計り切れない部分が大きいため、医師の適切な診断を受けて

自分の体のことをきちんと把握しておくことが、自分の体を守るうえでとても必要なことです。